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昨日5月19日、名古屋市中区役所ホールにて、評論家の宮崎哲弥さんを招いての憲法企画が、愛知県弁護士会主催で行われました。
500人の会場がほぼ満席で、若干の立ち見も出てしまいました。立ち見になってしまった方、申し訳ありませんでした。 前半が、宮崎さんのお話で、僕が聞き手を務め、その後、本さん(名大教授)のミニコンサート(?)があり、後半、宮崎さんと本さんのお二人のお話を、僕が司会として議論を進めさせさせていただきました。 宮崎さんから、マスコミ取材禁止、ということで硬く言われていたので、このブログでも、あまり詳しくお伝えできませんが、予想以上にかなり良かったと思います。 宮崎さんは、憲法とは国民から国に対する命令書なんだ、権力を縛るものなんだ、という原則を丁寧に話されました。 憲法を護るとか変えるとかの前に、まず、憲法とは何か、日本国憲法に何が書かれているかをしっかり理解しよう、9条だって何を変えようとしているのか、あるいは守ろうとしているのかすら、分かっていない人ばかりじゃないか、ちゃんと憲法を知って議論していこう、という、とても大事な提起をしていただきました。 宮崎さんと本さんとの対談も、時間の関係で掘り下げが不十分でしたが、議論が対立する点も含めて大変良かったと思っています。 実は、弁護士会には、「弁護士会が改憲論者の宮崎さんを呼ぶとは何事だ!」という電話が事前にかなり入ったようです。 しかし、参加いただいた皆さんからは、「とても良かった」という声をたくさんいただき、ほっとしております。 憲法の議論をするにあたって、例えば「護憲」論者ばかりを集めて、「そうだそうだ」と4畳半の議論をしていてはいけないと思っています。 その意味で、他流試合は大事だと思って、この企画に賛成した部分がありますが、宮崎さんが憲法についての理解を正しくされた上で議論をされたので、かみ合うところはしっかりかみ合い、かなり実りのある会になったと思っています。 僕の立ち回りは、ホスト役として出しゃばりすぎず、宮崎さんに気持ちよく話していただきながら、しかし、こちらが話していただきたいポイントは落とさず進めていく、という大変難しい役回りでした。 最初、対談相手と司会の依頼があったとき、何とか断ろうと思ったのですが、「他に適任がいない」(そんなこと全然ないと思いますが)と押し切られ、引き受けてしまいましたが、始まるまで、どうなっていくのか読めない部分がありすぎて、とても不安でした。 「あそこでああ聞けば良かった」と後悔する点もあります。 しかし、全体的には、宮崎さんと本さんが大変しっかりした議論を分かりやすくしていただいたおかげで、何とかうまくいったと思います。 わかりにくいまま終わってしまった点などは、全て司会の私の責任です。 至らなかった点は、何卒ご容赦いただきたいと思います。 新システムの問題について議論している際に、賛成している方も、反対している方も、企業参入の話と混同して議論されている方が少なくありません。
しかし、企業参入の話と、新システムの話とは別次元です。 僕のブックレット「子どもと保育が消えてゆく」の38頁で次のように書かせていただきました。 「現在、介護保険の分野で、社会福祉法人の内部留保が問題となっています。人件費など、使い道が定まっている施設への「補助金」と異なり、利用者からの利用料という形になると、お金の使い道は施設の自由です。ですから、社会福祉法人がお金を貯め込むということも生じてしまいます。 これは保育でも同じです。新システムになり、施設への「補助金」から、親からの保育料+こども園給付へと変われば、使途に制限がありませんから、企業はコスト削減をして儲けようとしますし、社会福祉法人の中にも、コストを削減して内部留保をしたり、園長や理事への配当を高くするような法人がでてくることは十分考えられます。 他方で、手厚く保育をしていこうという保育園は、そのままでは保育園を維持できないでしょう。」 ★ ★ ★ ★ 新システムの問題は、単純に「社会福祉法人は良くて企業はダメ」などということではなくて、社会福祉法人そのものが変質し、保育の質が低下していく危険性があるという点にあると思っています。 新システムは、介護保険制度を参考にしているのですから、社会福祉法人の内部留保と労働条件の悪化、という、介護保険の分野で起こっている問題が、保育の分野でも起こることは必至です。 社会福祉法人の内部留保を拡大してしまうことがあれば、それこそ、「既得権保護」そのものではないでしょうか。 新システム推進の人は、新システム反対の人間を「既得権者」と批判します。 しかし、僕は、新システムで、ますます一部の社会福祉法人の利権を拡大し、むしろ「既得権が肥大化」していくことを心配しています。 現時点で、すでに複数の保育団体が新システムに賛成していることからすれば、「既得権の肥大化」という事態が起こるという懸念は、あながち間違いではないのではないでしょうか。 新システムになり、社会福祉法人が変質し、保育の質が低下する中で、社会福祉法人の保育園での保育事故が増えるのではないかと大変心配しています。 一審で無罪となった小沢氏の事件について、検察役の弁護士が控訴をしました。
明らかな事実誤認がある、ということが理由のようですが、他方で、主張した事実はほとんど認められたのに、無罪となってしまったなどとも言っています。 そして、一部マスコミも「灰色無罪」というような表現を使うなどしていました。 しかし、事実認定を積み重ねることと、最終的にそれが法的にどう評価されるかは別です。 検察側の主張立証した事実が仮に認められたとしても、その事実を前提に、法的評価としてはやはり、故意や共謀を認めるまでには至らなかった、ということであれば、それは立派な無罪判決です。 「灰色無罪」などと安易に評価すべきではありません。 「灰色有罪」、つまり「疑わしきは罰す」というイメージを広げることが、さらに冤罪を産み出す温床を作っていくことになる、ということを、もうすこし自覚していただきたいものです。 今回のマスコミの報道には、かなりの疑問を感じざるを得ません。 そもそも、99.9%有罪というのが日本の刑事裁判の現実です。 建前として無罪推定とは言いますが、現実には法廷の中では強固な有罪推定が働いているのです。 そんな中で、被告人の弁護士は、0.1%の無罪判決を勝ち取るために、徹底的にぎちぎちやって、最終的に「ぎりぎりの所での無罪判決」を、何とか必死にもぎ取るのです。 検察側から見れば、99.9%有罪の中で、しかも、裁判所も検察側の主張に基づく事実認定を一定するのは当然ですから、無罪判決が出たときに「おしい」と感じ、判決が「おかしい」と感じてしまうのでしょう。 しかし、「99.9%有罪」の世界で生み出された無罪判決は、総じて「ぎりぎりの無罪」です。 逆に言えば、原則通りに有罪にしたくとも、裁判所にはできなかった、ということなのです。 だからこそ、その無罪判決に重みがあり、その判断は、特に無罪推定の原則から、最大限尊重されなければならないと思います。 また、刑事事件の控訴審は事後審ですから、新たな証拠を出すことは原則として認められません。 その中で、原審の無罪判決を、論理の点で論破できる確証がない限り、控訴は断念すべきです。 今回の控訴については、幾重にも、疑問が残ります。 今日から子ども子育て新システムについて、特別委員会での審議が始まるようです。
政府は多くの法案に紛れさせて一気に通そうという方針のようです。 しかし、新システムの問題点は明らかで、先日放送された「たけしのTVタックル」でも、3歳未満児受け入れ義務がなく、待機児童解消にならないこと、幼保一体化どころか、内閣府、厚生労働省、文部科学省が管轄することになり、幼保複雑化であること、消費税増税分の7000億円を当てるというが、だったらその予算で保育園を作れば、待機児童は一気に解決してしまうのであり、わざわざ、現行制度を壊してまで「新システム」を作る必要はないことなどを分かりやすく解説していました。 しかも、もともと、新システム推進論者であった鈴木亘教授(学習院大)が、上記のコメントをしている点が特徴的でした。 だいぶ世間にも、新システムの問題が伝わってきたようです。 日弁連も、反対の意見書(12日付けですが)を昨日出しました。 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2012/120412.html
子ども子育て新システムの問題を、少しでも多くの方に知ってもらいたいのですが、これまで、保育団体が作ったビラなどはあるものの、もう少し、温かい雰囲気で、丁寧に人に伝えるツールが欲しい、と思っていました。
そこで、人に丁寧に伝えるリーフレットを自分たちで作ってしまおうと思い、保育にかかわっている方々にご協力いただきながら、一気に作りました。 いわさきひちろ美術館にも相談させていただき、ちひろの絵を使わせていただき、温かい感じのリーフがほぼ完成しました。 まずは10万枚、全国で配っていきたいと思います。 GW明けにはどんどん配布できるようにしたいです。 HPも、すでに作っています。詳しくはそこで伝えられるようにしたいです。 迅速に配れるように、リーフはカンパを基本にしていきます。 チラシを見て、賛同いただける方は、カンパもご検討下さい。 またお知らせします。 ホッブスのリヴァイアサンやアダム・スミスの国富論の翻訳で有名な水田洋さんという学者が名古屋にお住まいです。
岩波文庫の翻訳者をご覧いただければ、水田洋、という名前に出会うと思います。 水田さんは、ホッブスやスミスの研究では世界的に有名な方です。 お年は90を超えていますが、ますますお元気で、僕は10年近く前から個人的に親しくさせていただいていました(最初は、そんなにすごい人と思っておらず、気楽に「水田さーん」と声をかけていました)。 ご自宅にも伺ったことがありますが、本の多さに圧倒され、(もyはや図書館です)、知の巨人のすごさを肌で感じました。 2年ほど前には、僕が本当に気ままに時々開いている「ときどき勉強会」に来ていただきき、「アダム・スミスの誤解を解く」という題で話をしていただきました。 ますますお元気、とはいえ、お年もお年ですので、「ホッブスが言いたかったこと」「スミスが言いたかったこと」「水田洋が言いたいこと」という3連続講座でも開きたい、と思っています。 小沢氏の無罪判決が出ました。
日本の刑事裁判は、99.9%有罪ですから、事前に無罪判決の可能性が高いと報道されていても、現実に無罪判決がでることは最後まで厳しいと率直に思っていました。 僕自身は、無罪判決は複数取っていますが、無罪判決を予想していたこともなければ、まして「無罪判決がでて当然」などと思って判決日を迎えたこともありません。 小沢さんの弁護団も、内心、ドキドキしながら、今日を迎えたのだと思います。 小沢さんの事件とは全く関係ありませんが、私自身が数年前、特捜部が起訴してきた事件(自民党の反小泉派の国家議員との関係を疑われた会社を、特捜部がつぶしにかかった事件)で無罪判決を取った時にも、「故意、共謀の点が否定されて無罪」という判決の構造でした。 この事件と、小沢さんの事件の構図が意外によく似ていました。 自分のそのつたない経験の限りで言えば、裁判所が無罪を出すとすれば、その理由は「故意・共謀の否定」という着地点しかないだろうと思います。 おそらく、小沢さんの弁護団も、最終的には、そこに着地することを狙った弁護活動をしてこられたのだと思います。 小沢さんの弁護団の中心は弘中先生ですが、他に、ずっと小沢さんの傍らにいる弁護士でM弁護士という方がいます。Mさんは、もともと小沢さんの秘書で、その後司法試験に受かって弁護士になっています。 Mさんは私の事務所で司法修習をされたので、Mさんが修習生の時から個人的に親しくさせていただいています(考え方や生き方などは全く違いますが)。 本当に、礼儀正しい、誠実な方です。 今は赤坂に法律事務所を構えていますので、僕が永田町に議員の方に話をさせていただきに伺う際、空いた時間があれば、陣中見舞いにお土産を持って激励してきました。 Mさん、本当にお疲れ様でした。本当によかったですね。 近く直接ねぎらいに行きたいと思っています。 最後に、個人的な期待です。 小沢さん自身を、政治家としてどう評価して良いのか、答えは出ません。 好きか嫌いかと言えば、僕にとっては好きな政治家とは言えないというのが率直なところです。 しかし、今、小沢さんには、消費税増税に反対していただき、子ども子育て新システムなど、どさくさ紛れに野田政権が通そうとしている悪法を葬り去るために、是非力を発揮していただきたい、と期待せざるを得ません。 小沢さんの無罪を喜んでいる人が少なくない感じがしますが、消費税増税に突き進むばかりの野田政権を止めて欲しい、という思いが多かれ少なかれあるのではないでしょうか。 震災の後、多くの国民が苦しんでいる中で、今、消費税を上げることにのみ、全力を注ぐ野田政権は、本当に異常だと思います。 東北選出の小沢さんだからこそ、国民の生活が第一、と訴えてきた小沢さんだからこそ、掲げられる旗があると思います。 僭越な言い方ですが、このタイミングで無罪判決が出たことの政治的な意味を良く理解いただき、今こそ国民の生活が第一の旗を掲げ、国民のために死力を尽くしていただきたい、と勝手ながら、超外野から願っています。 2月末に発売された拙著「子どもと保育が消えてゆく」(かもがわブックレット)ですが、おかげさまで売れ行き好調で、在庫切れとなってしまいました。
かもがわ出版では、「売り切れ」となり、注文ができない状況です。 最近、中日新聞など各紙でも新刊本として宣伝していただいたのですが、買いたくても「売り切れ」という状況で、大変困っています。 ですので、かもがわさんの方で、増し刷りを決定していただき、2刷りが5月に出る予定となりました。 この手のブックレットで、この期間で増し刷り、というのは異例の早さのようです。 多くの方が、このブックレットを活用していただいていることに感謝でいっぱいです。 何とか、今の保育制度を根本から否定する「子ども子育て新システム」を食い止めたいと思います。 なお、本ですが、誤字が結構あったので、今回直していただく予定でおります。ただ、先週金曜日に京都市内で保育の学習会の講師として話した際、ほんの一部を参加者に朗読してもらっただけなのに、誤字を2カ所発見しました…。 まだ見落としがある可能性が高いのが心配です。
愛知県弁護士会の憲法記念行事が、5月19日(土曜)、名古屋市中区の中区役所ホールにて開かれます。先着500名で、予約不要、入場無料です。
今回は、思い切って、テレビでよくお目にかかる評論家の宮崎哲弥さんをお招きし、憲法についてのお考えを伺います。僕が対談相手を務めさせていただきます。 また、パネルディスカッションでは、名古屋大学の本教授(憲法)にも加わっていただきます。そのコーディネートも私がさせていただきます。 宮崎さんは、立憲主義の重要性を説いていらっしゃり、憲法は権力を縛るものだという観点からお話しいただきます。 護憲、改憲を語る前に、憲法についてちゃんと知ろう、という企画にしていきたいと思います。 宮崎さんとは、先日もTBS内の喫茶店で打ち合わせをさせていただいてきました。 ご本人は、立憲主義を貫く観点から、しっかり軍隊も縛るべきという考え方で改憲を御主張されていますが、その点については、9条改憲反対の本教授との対談で議論を深めていきたいと思います。 思い切った企画だと思います。 いろいろ言われたりもしますが、弁護士会として取り組む以上、そして、対談相手やコーディネート役という大役に抜擢された以上、とにかく良い企画にしていきたいと思い、頑張ります。 個人的には結構楽しみです。 5月の初旬に、愛知県内の各新聞に大きな広告が打たれますので、よければご確認下さい。 また、私の事務所、名古屋第一法律事務所のHP上のブログにも、チラシを載せています。 よければご覧下さい。
かもがわ出版さんから出版させていただいた「子どもと保育が消えてゆく」は、公式の発売日は2月24日だそうですが、一足先に著者のもとには100冊単位で送っていただきました。
2,3日で手元の200冊がなくなり、多くの方から本を読んだという感想が寄せられました。 「子ども子育て新システムって、こんなに深刻な問題だとよく分かった。とても分かりやすかった」 「わずか63頁で、子ども、子育て、保育、介護保険、障がい者自立支援法、子どもの貧困、海外の事情などまでよくわかった。ほんとうにすごい本です」 等と仰っていただきました。ありがとうございました。 でも、一番嬉しかったのは、 「温かい気持ちになれる本。川口さんの娘さんの保育園って、本当に良い保育園ですね。そんな良い保育園を潰しちゃダメですよね」 という言葉です。 僕のこの本は、娘の保育園を通して見えてきたこと、学んだこと、そして、嬉しかったことがあって、初めて書けた本です。 もちろん、弁護士としての経験や知識は総動員しましたが、一番原動力になったのは、保育園に子どもを預ける父親として感じている、保育園の皆さんへの感謝の思いと尊敬の念です。 そして、保育園と子どもたちを守りたい、という、切実な思いから、書き上げました。 かもがわ出版さんのHPから注文が出来るので、是非、お求めいただき、議論したりする素材に使っていただければ幸いです。 http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ka/0527.html
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