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増える「ブラック企業」

「ブラック企業」という呼称は、以前は暴力団とのつながりがあるような企業のことを指していましたが、最近は、大量採用大量解雇をするような新興企業に対して使われるようになってきました。

たくさん雇って、どんどん人を使いつぶしていく。

過労死基準を遙かに超える残業をさせ、疲弊させてゆく。

人格攻撃をして、「自分はダメだ」と思い込ませて、ひたすら競争させ、神経をすり減らさせてゆく。

そして、使い捨てると判断した時点で、大変巧妙な「退職勧奨」を行い、あくまで自分の意思で会社を辞めた、というところに追い込んでゆく。

ブラック企業では、「正社員になりたい」という若い人達の切なる願いにつけ込んで、人を使い棄てて利益を上げてゆく、というやりかたを戦略的に行っています。
そのやり方も年々巧妙になっています。

こうしたブラック企業は、名の知れた企業も含めて、かなり多くなっているという印象です。

最近対応したケースでは、入社後4ヶ月の方が、徹底的な人格攻撃をされて解雇されたところで、私の所に相談があり、直ちに解雇無効の仮処分を起こしました。あまりにひどいことがされていたことから、裁判官も会社側に厳しい対応をし、最終的に給料の2年間分に相当する金額を支払わせた、というケースもあります(4ヶ月しか勤務していなかったことを考えれば、すごいことだと思います)。

この事件を契機に、会社側は露骨な人格攻撃などの違法行為を控えるようになりました。

また、残業代を払っていなかった会社に対して、残業代を支払うように求めたケースでは、最終的に労働者側の見解に沿った金員の支払いがなされました。
そして、その後、その会社では、すべての従業員に対して、しっかりと残業代を払うようになりました。

正面から闘うことで、会社側に対して、「何をやっても許される」などということはない、ということを自覚させ、会社の職場環境を良くしてゆくことにつながることもあります。

ただ、冒頭述べたように、解雇など、法的に争われやすいやり方を避け、巧妙に労働者を追い込み、やめさせてゆく、というやり方をとる企業が増えています。

ですから、闘い方が困難なケースも増えているのも事実です。

また、会社内で疲弊し、すでに闘うエネルギーや気力がなくなってしまっている方も少なくありません。

ですから、正面から闘うことができる場合ばかりではないことも事実です。

しかし、神経をすり減らし、「残るも地獄、やめるも地獄」という心理的状況に追い込まれてしまう前に、一度個人加入のユニオンや、日本労働弁護団の弁護士に相談をすることをお勧めします。

会社に知られることなく、こっそり相談をすることは十分可能です。

相談をすることで、自分の立ち位置を冷静に理解できるようになりますし、どういった対応を今後取っていけば良いのか戦略的に考えていくこともできます。道は会社と正面から闘うだけでなく、いろいろあるはずです。

一人で悩んでいても何も解決しません。

ただ、連合系の組合などに相談しても、おそらく真摯に対応をしてくれません。

各地に独立系で、個人加盟が可能なユニオンができていますので、そういったところに一度、相談してみて下さい。

あるいは、日本労働弁護団に相談をすれば、各地の労働弁護士につないでもらうことも可能です。

東海地方であれば、私の所に電話いただければ、私が対応するか、あるいは、適切なユニオンや有能な弁護士につなぎます。