カテゴリ:法律業務関係( 10 )

私自身が20代前半で交通事故に遭い、8ヶ月の入院生活と2年間のリハビリ生活をした経験があることもあり、日頃から交通事故被害者の相談に乗らせていただいています。

ネット上でも多数の法律事務所が広告をだしていることもあり、最近は弁護士に相談をすることが容易になってきたように思います。

ネット上の広告では、「慰謝料無料診断」などが多く見られます。

保険会社の提示額は、低めの自賠責保険の金額を基準に作られていることが多く、他方で弁護士は自賠責よりも高い裁判所の基準に沿って対応することから、弁護士に頼むことで、より高い慰謝料等が認められることは珍しくありません。

しかし、事案によっては、もっと早く相談に来ていただいていたら、というケースも少なくありません。

保険会社からの「慰謝料」などの提示の段階では、すでに事故後の治療も終わり、「後遺障害診断書」も作成されています。

たとえば、「診断書」の記載があいまいであったために、「後遺障害」が認められない事案もあります。「診断書」作成段階で、弁護士が適切に助言等できていたら、違った結果になっていたかも知れません。

また、保険会社との間で机上の議論をしていても限界がある場合もあります。

たとえば、過失割合の検討は、警察が作った実況見分調書を基準にしてゆくこととなりますが、肝心の実況見分調書がわりと大雑把に作られていることがあり、事故の現実の状況と必ずしも一致していないこともあります。

現場に行き、客観的な状況を調べて「証拠」をしっかり作っておくことが必要な場合がありますが、その場合、なるべく早い時点で、現場の「証拠化」が不可欠です。

さらに、衝突した車やバイクなどの破損状況などから、それぞれのスピードや衝突した角度などを解析することが必要な時もありますが、その場合には学者に協力いただかねばならないこともあります。

また、後遺障害の等級認定の場面などで、医学的知見が必要なことも少なくありません。

交通事故においては、客観的な証拠の積み重ねが必要となってきます。

交通事故の被害に遭われた立場としては、お金では解決できないほどのつらい思いをされている方も少なくないとは思いますが、最後は金銭で解決するほかない面もあるので、できる限り早く、弁護士に一度相談していただいた方が良いと思います。
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今年の10月から、マイナンバー制度の通知カードが役所から発送されることになっています。

しかし、未だに多くの企業はマイナンバーについての対応を行っていません。

マイナンバー制度の危険性を十分ご理解戴いた上で、全ての企業で、しっかりとマイナンバーの情報管理体制をとって戴く必要があります。

急遽、顧問先などで、「会社の個人情報保護対策とマイナンバー制度」というタイトルでセミナーを行っています。

マイナンバー制度のリスクをご理解戴きながら、運用が始まること自体は間違いない以上、いかに情報漏洩を防ぐか、について、アドバイスをします。

なお、マイナンバー制度については、金融資産課税が狙いではないか、とも言われています(伊藤元重教授は明確に金融資産課税の活用を念頭に置いています)。金融資産課税については、別途少し検討したことがありますので、別途書かせていただきます。
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以前、テレビドラマ「リーガル・ハイ」で、マンション建設に反対する住民の代理人となった、大和田伸也演じる弁護士と、建設会社の代理人になった堺雅人演ずる古美門との対決、という回があった。結局、住民はみな、お金をもらい、全員示談。古美門の勝利、という結論だった。

実際、こういう場面は少なくないのだろう。

しかし、何件か日照権訴訟(さらには圧迫感訴訟)を経験している立場からすると、ちょっと物足りないと思ってしまった。

闘いは、そこから始まることだってあるのだ。

実際、私と、同じ事務所にいた原山弁護士2人で対応した日照権訴訟は、多くの住民がマンション業者からお金をもらって行く中で、最後まで「示談」をしなかったごく数名が訴訟を提訴した。そして裁判の厳しい道程を経て、最終的に勝利的和解を勝ち取ったというケースもある。→名古屋第一法律事務所ニュース

現実は、それほどあっさり結論が決まってしまうわけでもなく、本人の頑張りなどによって、勝ち目のない裁判が、予想外の結論に至ることもあるのが現実だ。

「こんなもんだ」と割り切ってしまうのは簡単だ。
しかし、理不尽を前に、どうしても「こんなもんだ」と割り切れない人だっている。
「こんなもんだ」と割り切れず、怒りや悔しさを抱えた人が立ち上がろうと頑張っているとき、力になりたくなるのは、たぶん誰でも同じだろうと思う。

こんな時に、しっかり力になれるように、もっと弁護士としての力量を高めていきたい。
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 去年のことである。
 名古屋市内のある商店街にあった老朽化した家屋が倒壊する、という事態が生じた。隣家のブロックを破壊し、車数台を全壊させるなどの多額の損害を与えてしまった。
 その土地建物の名義は、すでに亡くなっている男性の名義であったが、法律上は、この男性が死亡した時点で、相続人である妻と2人の子どもに相続が発生していた。そのため法律上は、この土地建物についての民法717条の工作物責任を3人が負わざるをえない。
 そして、隣家の被害は決して少ないものではなかった。

 私が縁あって、倒壊した家屋の相続人らの代理人を引き受け、何とか土地をそれなりの条件で売却し、その売却金をもとにご迷惑をおかけした隣家に対する賠償の交渉を行った。 

 不動産売却までに一定時間が必要であったが、その間も代車代の対応など、できる限り誠実な対応を務めたつもりである。
 最終的には、何とか話し合いをまとめさせていただくことができた。

 この件では、倒壊した時点で、倒壊家屋にも、また、倒壊した隣家の庭などにも人がいなかったことから、人命に関わることはなかったことは幸いであった。
 もしも人が犠牲になっていたらと思うとぞっとする。
 老朽家屋を放置しておくと、大変な事態が生ずることを実感した事件であった。

 この件では、不動産が売却できたことで、幸い賠償金の支払いに充てることができた。
 しかし、もし、土地の売却金額が低かったり、あるいはそもそも土地の売却ができなかったとすれば、相続人らは多額の賠償金支払い義務を抱えてしまったかもしれない。

相続手続きを先延ばしにするなどして、老朽化した家屋を放置している件は少なくない。
 しかし、老朽化した家屋に住んでいなかったとしても、所有権を相続している者としての責任は免れない。隣家に損害を与えてしまってからでは遅い。

 もっとも、空き家問題については、様々な問題が絡み合っていることも多く、そう単純ではない。
 しかも、対処すべき方向性はかならずしも1つではない。

 いわゆる問題空き家として収去する、という方向性だけでなく、空き家の利活用、という方向性もある。放置してある空き家が、一定手を入れることで負の遺産から資産価値を持つ物に変わることもある。空き家の利活用がまちづくりにつながることもある。

 空き家対策を巡っては、空き家や老朽家屋の当事者、隣家、行政などに加え、弁護士、税理士、不動産業者、建築士など、多くのステークホルダーが重層的に関わりながら、一つ一つの空き家を解決していくことが不可欠である。

 空き家問題は、根が深く、また、対応も決して単純でははい。

 空き家問題については、空き家の利活用、特に古民家再生、という点も含め、私自身いろいろな関わりを持っているので、今後も引き続き、ブログでご紹介させて戴きたい。
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私自身、23歳の時に交通事故に遭い、8ヶ月入院した経験がありますが、入院した直後に、知り合いの弁護士さんに相談ができたことで、とても助けられた、ということがあります。

もともと、高校生の時に、いろいろな職業の方の話を聞く、という機会があり、川越法律事務所の島田先生の話を聞きに行ったことがあって面識はありましたが、僕が苦しんでいるときに病院にまでお見舞いに来てくれた島田先生のことは、今でも忘れません。

ここでの経験があって、司法試験を経て(当時ロースクールもなかったので、僕のようなものでも受けられました)弁護士になったので、交通事故と今の自分はいろんな意味で切っても切り離せません。

さて、巷には、保険会社が損害賠償金額を提示してから、「その金額が妥当かどうか、無償で診断します」という法律事務所の宣伝が増えています。

確かに、その段階でも、弁護士が入れば、慰謝料などはまず上がります(保険会社の基準と、裁判所の基準が違い、裁判所基準の方が高めなため)。

しかし、もっと早く弁護士に相談しておくことで、助けられた、ということは十分あり得ます(ここは、相談する弁護士によりますが)。

たとえば、保険会社が健康保険への切り替えを求めてきたとき(いつも直面しますが)、どうすれば良いのか、など、事故に遭って初めて直面することばかりだったりします。

僕の場合、長期入院が当初から見込まれたため、いろいろなうめき声がする大部屋でなく、個室に移りたい、という思いを持っていたのですが、弁護士さんが「健康保険への切り替えをする代わりに、個室費用を出すように」と保険会社に交渉してくれたため、個室に移ることが出来ました(一般的に認められることではありませんが)。

こういったところ1つとっても、弁護士さんに相談できたのは本当に良かったと思っています。
8ヶ月大部屋だったら、やってられなかったと思います。

また、一般的にも、例えばむち打ちなどの場合には、診断書の記載についても、痛みを具体的に伝え、その都度カルテにしっかり書いてもらうこと、というアドバイスも、後の後遺障害等級認定の際に大事です。

また、事故態様に争いがある場合、早期に警察から実況見分調書を取り寄せ、弁護士が現場に行き、早期にこちらの証拠収集をしておくこともあります。

いずれにしろ、弁護士に相談して全体の見通しを早いうちから持っておくことは必要です。

ですから、保険会社が損害額を提示するよりも前でも、交通事件をしっかり対応できる弁護士に相談いただけると良いと思います。

私自身、弁護士10数年、交通事件にたくさん関わってきました。今後も交通事故の被害に遭った皆さんのお力になれる弁護士でありたいと思っています。

交通事件の相談は、名古屋市内、あるいは名古屋市近辺の方については、、事務所に来所いただければ初回は無料でご相談に乗らせていただきますので、遠慮なく、名古屋第一法律事務所(名古屋・地下鉄桜通線丸の内駅下車徒歩3秒:052-211-2236)の川口までお電話下さい。
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 弁護士は、依頼者のために責任を持って法廷などで闘います。

 しかし、弁護士が一人で出来ることには限りがあります。

 例えば、医療事件などでは、裁判に協力してもらえる優秀な医師がいなければ、十分な訴訟準備も出来ません。

 建築紛争では、建築の専門家である建築士とのつながりも不可欠です。

  さらに、貧困を背景に生じた刑事事件の弁護人になったときに、被告人が執行猶予で出た後に、生活支援にどうつなぐか、ということも大事になってきます。その際、ホームレス支援のNPOなどと信頼関係があれば、適切に生活支援につなげることが出来ます。刑事弁護人としての仕事の範囲を超えますが、情状弁護でしっかり裁判官に伝えることも出来ます。

 大事なのは、専門家とのつながりだけではありません。

 例えば、少年事件では、少年が新たに生きる道を模索するにあたって、地域の方達とのつながりが生きてくることがあります。

 幸い、医師、精神科医、歯科医師、建築士、不動産鑑定士や税理士、様々なNPOなど、また地元の地域で、多くの素晴らしい方達とおつきあいをさせていただいております。

 これからも、多くのみなさんのお力をお借りしながら、弁護士として、困難に直面した方に向き合っていきたいと思っています。
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消費者相談では、様々な詐欺の相談があります。

リフォーム詐欺やオレオレ詐欺など、誰でも知っている手口でも、被害が後を絶ちません。

以前対応したケースは、リフォーム詐欺から出発した大がかりな詐欺被害でした。

まず、「シロアリ無料診断」から始まる典型的なリフォーム詐欺にだまされ、多額の金員を支払わされました。

その後、「リフォーム詐欺被害救済の会」の担当者が自宅を訪れ、これは「リフォーム詐欺です」と伝え、被害が深刻であることを強調しました。
そして、ちゃんと弁護士などに頼んで対応してもらった方が良いと伝えました。

後日、今度は、弁護士がそのお宅に訪れ、被害者から被害実態を聞きます。そして、訴訟をしてお金を取り戻すことを勧め、その場で着手金として、現金(50万円くらい)を払わされました。

さらに、リフォーム会社などから預かった資料など全てを、弁護士が「訴訟の準備のため」と言って持って帰りました。

残ったのは、その弁護士の名刺だけ。

被害者は、弁護士からの連絡を待ちますが、連絡がありません。

しばらくして、その名刺に書かれている電話番号に電話をすると、「使われておりません」となっており、おかしいと思って、名刺に書いてあった住所に行ったのですが、そこに法律事務所は存在しませんでした。

そこで、弁護士会に相談に行き、そんな「弁護士」が存在しないことがわかります。

被害救済の会も、弁護士も全てニセモノでした。
資料も全て持って行かれているので、業者の手がかりも残されていませんでした。

すぐに警察にも伝え、弁護士会にも伝えましたが、ニセ弁護士も「リフォーム会社」も捕まっていません。

最近は、グループで役割分担をして、大仕掛けな手口で巧妙に仕掛けてくるケースも少なくありません。

少なくとも、訪問販売などには安易に応じないことです。自宅に業者を入れた時点で、断りにくい環境を作り出していることになります。

だまされやすい状況は、断りにくい環境の中で作られます。前提として、断りにくい環境を作り出さないことが大事だと思います。
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ある全国展開している某量販店の店内でのことです。

店員が、小さな台車(一見台車に見えません)を店内の階段の一番下の所に放置していたところ、階段を下りてきたお客の女性が踏んで転倒してしまい、3ヶ月(95日)入院をする大怪我を負ってしまいました。

店側は、自分たちの過失を認めてはいましたが、残念ながら誠実な対応がありませんでした。その女性は退院時に、約100万円の医療費をいったん自己負担して支払うことにまでなりました。
治療費の事前払いもされなかったそうです。

女性は、専業主婦でしたので、仕事を休むという点の心配はありませんでしたが、家事が出来なかったので、夫は一人で家事をこなし、妻の見舞いもしながら、仕事に行っていたそうです。

退院した後に、その女性が被害の弁償を店側に求めたところ、保険会社が出てきて、その女性は保険会社の担当者と交渉することになりました。

しかし、保険会社がその女性に提示してきた損害額は、入院費を含めて、140万円程度でした。
医療費が約100万円だったので、医療費を払ったらほとんど残らない金額です。

保険会社側は、女性側に半分近い過失があったとの主張を行い、金額を大幅に抑えてきたのです。

女性としては、あまりに低いのではと思いながらも、後遺症も残らずに済んだこともあり、「こんなものか」と諦め、示談書にサインを押そうとしていたそうです。しかし、サインをする直前に、息子さんから、「一度弁護士に相談をしたほうが良い」と言われ、私の所にこられました。

私は、あまりに低い金額に驚き、早速現場に行って状況を確認し、女性側に過失はほとんどないとの心証を持ちました。

また、保険会社の提示は、入通院慰謝料の計算基準が低かったことから、裁判所の基準で計算をし直しました。また、専業主婦でも「休業損害」が認められることから、計算をして被害額に計上しました。

被害金額を計算し直した結果、360万円を超える損害の支払いが必要、と積算しました。そこで、その積算根拠を具体的に示した書面も作って保険会社との協議を開始しました。

保険会社は態度を改め、何度かのやりとりの後、女性側にはほとんど過失がないことを前提に、こちらが提示した金額に限りなく近いところでの和解ができました。当初提示してきた金額から倍以上上がったことになります。

受任してから、解決までの期間も1月もかかりませんでした。

金額的にも納得できる金額であったこと、早期に解決できたということ、に加え、何より、「私は悪くない」、と相手にはっきり認めさせたことが嬉しかった、と、とても喜んで下さいました。

私自身が、20代のころ、交通事故で被害に遭い、8ヶ月入院した経験があります。
症状固定後、弁護士に依頼して起こした民事訴訟で、「加害者側に100%過失があり、自分の過失割合はゼロ」と裁判所が判断してくれました。
その時、「裁判所は人の矜恃を守るところだ、誇りを回復するところだ」と思い、その後司法試験に挑戦して合格した経緯があります。

交通事件や、怪我などでの被害に遭われた方は、自分も悪かった、と思い込まされがちで、そこで又傷ついていきます。

弁護士の仕事を通じて、金銭的な面での被害の回復と共に、傷ついた誇りを回復できる手伝いが出来れば、と思っています。

いずれにしても、保険会社からの提示は低く提示されることが多いですから、保険会社から提示された金額が妥当か悩んだら、一度弁護士に相談されることを強くお勧めします。
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引き続き、僕にしては珍しく仕事の話です。

顧問先から、契約書のチェックを日常的に依頼されます。

特に、ある中堅の商社の顧問先は、積極的に契約を締結していることもあり、かなりの頻度で契約書の確認をしたり、新たに作ったりしています。

中国に進出している企業もありますので、中国の律師(弁護士)と連携して契約書の作成をすることもあります。

ただ、企業の担当者と話をすると、「契約書は、何かひな形か何かがあるもの」と捉え、「礼儀」程度として考えている担当者が少なくない、という印象を受けます。
大手企業の法務部の方の中にもそういった方はおられます。

しかし、契約書は、まさに個別にその契約内容を表している大事なものですから、サンプルはあくまでサンプルに過ぎず、しっかり個別契約に即した内容を作る必要があります。契約書を「ひな形」で対応できるというように、簡単に考えては困ります。

そして、何より、企業間の訴訟でまず問題となるのは契約書の条項でありその解釈です。

かなり不利な契約を締結させられ、相手がその契約書を盾にかなり理不尽な要求をしてきたことが発端となり訴訟になったケースもかなりあります。

仮に契約書上不利な立場であっても、いかに様々な法的な知識などを動員して訴訟に勝てるかが弁護士に腕の見せ所ですので、契約書が不利だからと言って、弁護士はすぐに諦めることはありません。

法廷で闘うことが日常的な弁護士にとっては、仮に不利であってもその「契約書」を巡って法廷で勝負することは、むしろ日常的な業務と言えます。
先日も、契約書上はかなり難しい案件でしたが、勝訴判決を得て確定しました。

しかし、出来ることであれば、紛争は未然に防いでおくべきです。

紛争になってから関わる場合、「こんなひどい契約をよくしたな」と思うことが多々あります。

ですから、企業の担当者の方達においては、契約書締結段階で、しっかりと契約書のチェックをしておくことを強くお願いしたいです。

相手企業との力関係があったとしても、そこを対等なところになるべく持って行けるように努力すべきです。

特に力の弱い企業ほど、契約書締結段階では「うまく」対応し、その上で、少しでも条件の悪くない契約を締結する努力をしていただきたいと思います。

最近、企業のリスクマネジメントが大きなテーマとなっています。

私もそれなりに多くの訴訟を経験し、さらに、特捜部から刑事事件として立件された企業の刑事弁護で無罪判決を取るなど、会社存亡の危機に直面する「修羅場」を経験してきました。

その経験から申し上げれば、会社が「契約を結ぶ」という前向きな段階に、同時に「紛争を未然に防ぐ」観点から、しっかりとした契約書を作る、つまり、リスク回避を念頭に置いた契約をする、ということに、もう少し関心を寄せていただいた方が良いと思います。

契約書の確認は文面上の問題に限りません。

その契約の商品が具体的にどんな商品か、相手との取引はどの程度の取引額か、仮にその商品に欠陥があった場合に生じうる最大のリスクとして何が考えられるか、特許の侵害などが無いか、など、検討を要することが多々あります。

文面上の美しさなどより、リスクが明確に認識され、そのコントロール方法がしっかり契約書に記載されているかどうか、が大事になってきます。

その判断のためには、担当者と直接打ち合わせをし、商品の特徴や最悪シナリオなどを言語化し、共有化していくことが不可欠です。

それを、短時間に行って行くには、かなり大変ですが、契約の重要性からすれば、手を抜くわけには行きません。

不祥事でつぶれていく会社も少なくない中、クライシスマネジメント、リスクマネジメントが大事であるといわれているからこそ、企業においては、契約書の締結段階に、もう少しエネルギーを注いでいただきたいと思います。

仮に、法務部を持っていない、という中小企業でも、一人法務部の人員を雇うことを考えれば、弁護士を顧問に雇い、契約書のチェックを依頼をする方がはるかに経済的ですし、チェックも確かだと思います。

紛争予防に少しエネルギーを注ぐことで、その後の膨大な損失の回避につながるのです。そういった観点で、契約書の重要性をもう少し理解していただきたければ幸いです。
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 珍しく、仕事の話です。

 当事務所は、中国大連にもオフィスがありますし、私の顧問先も中国に進出している企業がいくつもあるのですが、最近は中国よりも、ASEANへの進出が顕在化しています。

 その背景には、単に安い労働力を求めている、ということだけではない、国際情勢と共に日本政府の政策があります。

 政府は平成22年9月7日、「新成長戦略実現会議の開催について」の閣議決定に基づき、アジアを中心とする旺盛なインフラ需要に対応して、インフラ分野の民間企業の取り組みを支援し、国家横断的かつ政治主導で機動的に判断を行うとし、この間定期的に「パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合」を開催し、具体的な計画を実行しています。

 2011年の主な成果としては、イギリスでの高速鉄道車両更新計画(IEP:Intercity Express Program)やインドネシアの中部ジャワ高効率石炭火力発電計画、サウジアラビアでの上下水道事業、ベトナムでのラックフェン港建設計画、トルコでの宇宙機構設立、通信衛星調達事業、ベトナムでの衛星情報の活用による災害、気候変動対策計画、そして、ASEANに対するASEAN連結性支援が決まりました。

 ASEAN連結性支援は、2011年10月、第10回パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合において議論されています。翌11月の日本、ASEAN首脳会議において、野田首相から、連結性強化に資する主要案件リスト「フラッグシップ・プロジェクト」が提示・合意となり、ASEANの港湾、物流、電力、情報通信網整備等、インフラ全般を支援することが合意されました。事業規模としては2兆円になります。
 資金手当としては、ODA,JBIC等の活用、民間資金の導入、アジア開発銀行(ADB)等との連携を進めていくとしています。 
 日本政府は、今後も、特にASEANに対して官民が連携して積極的にパッケージ型インフラの海外展開を行っていく方針です。

 特に、ベトナムのホーチミンからプノンペン、バンコク、そしてミャンマーのダウェイを結ぶ道を作ることが大きなテーマとされており(陸の回廊)、この陸の回廊が整備されると、ASEANの経済はもっと伸びることは確実です。そこで、日本は積極的に支援していく方針です。

 特に、2011年3月30日にテイン・セイン大統領が誕生し、民政移管がされたミャンマーに対しては、現在新たな企業進出を検討している多くの日本人が訪れています。

 日本政府は、経済的にも、また、対中国との政治的な関係も視野に、ASEAN外交を特に重視しており、この流れは続くと思います。

 パッケージ型インフラ海外展開については、様々な意見があることは承知していますが、中国、韓国、北朝鮮との外交でそれぞれ大きな課題を抱えている今こそ、ASEANも含めた広域アジアの安定と積極的な交流が不可欠だと考えています。 
 
 ASEAN、特にミャンマーに対する投資、企業進出が進むことは間違いないでしょう。

 企業活動をしていく上でも、情報収集をしていく必要があると考えています。
 
 
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