カテゴリ:NPO( 2 )

NPOの支援に関わる中で、いろいろ考えることが多い。
今日は、NPOが市民社会にとって大事な存在となっていくだろうということについて、書かせていただきたい。

■NPOは市民の自発的な活動の基盤となりうる

 行政や他の機関、団体が対応できないまま放置されている問題は無数にある。
 
 そして、行政が地域のすべての課題に取り組むことは不可能である。
 
 しかし、これまで日本の市民運動は、どうしても行政に何かをするように求める運動が中心であった。
 
 確かに、法制度など、大きな枠組みを変えたり、多くの財政的支出が必要な課題、あるいは強制的権限を伴う仕組み作りなどについては、行政に対する働きかけは必要である。実際に、児童虐待に関しては、児童相談所の機能拡充などを求める市民の声が、制度改革を進めていった経緯もある。

 しかし、「すべての課題を行政に依存して解決する」という発想だけでは、目の前の課題を十分解決することが出来ない。
 
 そこで、目の前の問題解決に向けて、やむにやまれず、自分たちで出来ることから初めて行こう、と動き出す市民が生まれてくる。

 
 もっとも、これまでも、様々なレベルで自発的に取り組みを作る市民が社会を支えてきた。決して、行政が「公共」の全てを担っていたわけでもないし、最近になって「新たな市民が登場」して、「新しい公共」を作ろうとしているわけでもない。
 

 いわゆるNPO法が出来る以前から、目の前の課題に取り組んでいた市民は各地域にたくさんいたのである。ただ、社会的に十分認知されてこなかっただけである。NPO法が出来る前も、実質的な団体として活動を行っていたのである。
 
 しかし、こうした団体は、構成員の変更によって、組織が継続しにくいなどの問題が常に存在した。

 NPO法は、市民が自発的な取り組みを継続的に進めていく上で、「NPO法人」との法人格を取得し、継続的な活動を行っていくことを法的に一定支えることを可能とした。
 
 したがって、NPO法人は、市民の自発的な活動の基盤となりうる。
 

 なお、自発的に行動する人達はおそらく有史以来、ずっと存在したのであろう。
 
 しかし、日本は、明治維新後、ずっと「結社」「団体」を敵視するかのような法制度が続き、公的な問題に取り組む団体については国や自治体の監督の下に存在を認められる、という制度が戦後も最近まで続いてきた。

 NPO法が制定され、民法が改正され、ようやく市民の自発的活動を社会が支える法的基盤が出来た。
 
 日本の民主主義は、まだまだこれからだ。

 伸びしろも大きいと期待したい。

■ NPOの民主主義社会の基盤を作る役割

  トゥクヴィルを待つまでもなく、民主主義社会において中間団体の存在はきわめて重要である。人間を「個」に分断すればするほど、国民は全体国家へと集約されてゆく。このことはナチスや戦前の日本の経験などから明らかである。
 
 したがって、小さなコミュニティーや中間団体をたくさん作ることが、民主主義社会を成熟させることにつながる。フランスのコミューンなどは、まさに民主主義の基礎である。

 
 これに対して、今、日本では、自治体の「平成の大合併」や道州制議論など、これまでの市町村というコミュニティーすら解体する政策が取られている。 

 こういった政策が進められていく中では、逆に市民の側から、自分たちの生活を守るために、地域のコミュニティーを守り、豊かにしていくことが必要となる。

 自分の小さな地域で持続可能なコミュニティーを形成し、自分たちの暮らす社会を自分たちで作っていくという実践を行うことが、民主主義社会の基礎を作っていくことにもつながる。
 
 地域のコミュニティーを形成していく上で、大事な単位となるのが、様々な地域の問題に根ざして小さく、地道に活動に取り組んでいるNPOである。

 民主主義社会の基礎を作っていくために、そして、自分たちの生活を守ってゆくために、NPOにはますます重要な役割が求められている。  
 
 ドラッガーが指摘したように、いずれNPOの時代が来る。

 
 そう信じて、地元の小さなNPOの支援を細々と続けている。
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by kahajime | 2013-01-14 01:22 | NPO
地域の子どもたちの育ちを支えようとしているNPOが全国各地にあります。皆さん、情熱を以て活動をされていますが、営利活動をしているわけではないので(中には、NPOを名乗りながらもかなり稼いでいる団体もありますが)、資金面での困難を抱えているNPOが圧倒的です。

私は名古屋で弁護士をしていますが、NPOの支援をしてきました。そこで知り合ったNPOの税務に詳しい税理士の先生から声をかけていただき、数ヶ月前に岐阜の「ぎふハチドリ基金」の委員にならせていただきました。

ぎふハチドリ基金では、子どもたちの育ちや若者を支えようとしているNPOを支援するために基金を作り、NPOの活動を地域で支えていく仕組みを作ろうとしています。

寄付文化がない日本で、また、保守的な岐阜で、寄付を集めていくことはなかなか困難だと思います。都会的なやり方ではなかなか集まらないと思われ、企業やお店などに足を運んで広めていくしかないと思っています。

しかし、寄付の金額よりも、こういった取り組みをしていく中で、地域で子どもたちの育ちを支えていこう、行政に依存するだけでなく、自分たちが地域の当事者なんだ、という意識が少しでも広まっていけば良いと思っています。

ご支援いただければ幸いです
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by kahajime | 2012-11-23 01:35 | NPO