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第1 憲法とは何か
 憲法とはそもそも何か。もちろん、国家の根本法である、ということは言うまでもありませんが、憲法の重要な機能として、「国家権力を縛る安全装置」という点があります。憲法で権力を縛ることは「立憲主義」と呼ばれています。

 もともと、国王に好き放題させない、というところから発展してきたものですが、国民主権になり、民主主義の政治システムを取る欧米各国は、今も「立憲主義」をとり続けています。それは、議会制民主主義の下で「多数者」によって信任された政府であっても、権力は時に暴走し、特に少数者の人権を踏みにじる危険性が常にある、という教訓に基づいています。

 むしろ、政府が多数の国民に熱狂的に支持されているときほど、少数者は切り捨てられ、人権が踏みにじられることがあります。民主主義システムの下での「立憲主義」を「立憲主義的民主主義」といって、多数者であれば何を決めても良いという意味での「多数者支配民主主義」と対比されます。現在、少なくとも欧米諸国は「立憲主義的民主主義」を採用しています。

 日本国憲法下の日本も「立憲主義的民主主義」の国です。

第2 立憲主義の国ではなくなる
 しかし、自民党の新憲法草案を見てみると、国益や秩序を明確に人権よりも上に位置づけます。これでは、結局秩序維持のために大事だとして作られた法律や政策は、常に人権よりも優先されますから、権力を縛る、という憲法の機能はなくなってしまいます。

 逆に、国民に対する義務規定がたくさん入ってきます。これは、立憲主義を理解していないという点で、絶望的です。

 まず、民法も刑法などは誰に向けられているかと言えば、私達市民です。国会や政府などの「権力」が、国民に向けて「守れ」とするものです。
 これに対して、憲法は、主権者である国民が、権力に対して「ここまでは権力の行使はしても良いが、これ以上はダメ」という「枠」をはめる、というもので、国民から権力に向けて「守れ」とするものです。
 憲法と他の法律とは、命令する側とされる側が真逆になっている、というところが大事なのです。
 だから、憲法の命令を受けて、憲法を尊重する義務を負うのは権力を行使する地位の人達ですから、憲法99条では、天皇や大臣などの公務員には憲法尊重擁護義務が課されているのです。しかし、「国民」は命令をする側であって、義務を負う側ではありません。ですから、憲法尊重擁護義務を定めた99条には「国民」が入っていないのです。
 自民党の「草案」は、憲法の矛先が権力から国民へと180度転換し、憲法を国民を支配統治するための道具にしてしまいます。

 もしこの憲法が日本の憲法になってしまえば、日本は「立憲民主主義国家」とはいえなくなります。

第3 96条改憲について
 96条は、改憲の発議について、両院議員の3分の2以上の賛成を要件としています。
 普通法律は、「過半数」という「単純多数」によって決してゆきますが、憲法はその「多数」をも縛るという「立憲主義」に意味があるのですから、憲法改正の手続きを厳しくし、国会の「単純多数」では変えられないようにしているのです。
 96条改憲を言う人達は、日本の改憲手続きが厳しいと言っていますが、アメリカやドイツは日本より改憲手続きは厳しいです。

 この96条を改正して「過半数」に緩めてしまえば、たとえ国民投票が必要だとしても、単なる「多数者支配民主主義」になってしまい、日本はこの時点で「立憲民主主義国家」とは言えなくなってしまいます。


第4 国防軍について
 自民党草案では、国防軍の創出が規定されています。自民党は、「今でも自衛隊等軍隊があるのだから、実体を合わせるだけだ」「どの国だって国防軍がある」「普通の国へ」と言っていますが、全く違います。
 この「国防軍」は、上記の自民党の新憲法草案の中にあることをしっかり見る必要があります。

 つまり、他の諸国と異なり、権力を縛る「憲法」がなくなり、「立憲主義」を放棄してしまった上で、国民に義務を課し、統治する。その手段として「国防軍」を位置づけるのです。そうなると、国防軍という名の、国民を統治し弾圧する強大な軍隊が我が国に出現することになります。
 これは単に「自衛隊」を「国防軍」に名称を変えるだけの話では全くありません。
 行き着く先は、物言えぬ監視社会、軍事国家に他なりません。 
  
 

第5 アメリカの先兵として
 さらに、我が国には、現実に他国と違う特徴があります。それは日米安保の存在です。
 北沢元防衛大臣が「憲法九条があったからアメリカの過度な要求を拒めた」と言っていますが、まさにアメリカの軍事的な要求に対する防波堤の役割を果たし、国民をアメリカの戦争から守ってきたのが憲法9条だったといえます。イラク戦争では、憲法九条があったが故に、正面からの軍事攻撃への参加を拒むことが出来ました。
 イラク戦争で膨大な費用をかけたアメリカは現在、10年間で50兆円の軍事費の削減を進めています。しかし世界戦略はそのままです。そこで「同盟国」である日本に軍事力の肩代わりを求め、集団的自衛権の行使が可能になるようにと強い働きかけをしています。
 アメリカの「押しつけ憲法」を言いながら、現在のアメリカの「押しつけ憲法改正」に屈服してしているのが現状です。
 もし、今後9条が変えられてしまえば、日本はアメリカの世界戦略に深く組み込まれ、アメリカの戦争の先兵としての役割を担ってゆくことを強いられるでしょう。
 イラク戦争は、アメリカの「先制的自衛権行使」に対して、イギリスは「集団的自衛権」を理由に参戦し、179名もの若者が命を落としています。米兵は4400人を超え、イラクの市民の犠牲者数は65万人とも言われています。
 このようなアメリカの戦争に、将来にわたってずっと付き従う国になるのかどうかの瀬戸際です。


第6 スケジュール
 安倍政権は、目的は明確に憲法九条改憲ですが、改憲までも待てない、ということで、9条を下位の法律で実質的に変えてしまおうとしています。
 その法律の名前は、「国家安全保障基本法」といって、集団的自衛権を認めるなど、憲法九条を完全に骨抜きにする内容です。
 自民党は党内での激しい議論の末、2012年7月に自民党内の手続きを終え、法案として提出が可能な状況になっています。
 しかも、集団的自衛権行使を認めない内閣法制局を回避するために、「議員立法」によって国会に提出し、数の力で法律を成立させ、内閣法制局の憲法解釈を変えさせようとしています。
 これ自体、憲法の縛りを否定する、という意味で立憲主義の否定です。数の力で憲法を破壊する。権力の縛りを受けている政権与党自らの手によって立憲主義が破壊されようとしています。
 さらに、その後、96条改憲を経て(この問題は上述したとおりです)、9条改憲に進む、という段取りです。


第7 立憲主義の破壊に抗う
 自民党執行部は、本気で「改憲」を進めようとしています。
 私達も、本気で立ち向かわねばなりません。
 自民党が進める新憲法草案は、まさに権力者自らへの縛りを取り払い、憲法を国民を締め付ける道具へと180度転換してしまうという憲法破壊に他なりません。
 その問題をしっかりつかまえ、草案の問題を大きくつかまえ、広げることが大事です。
 幸い、私達には、今の憲法があります。
 憲法を武器に、正面から立憲主義の破壊に抗っていきたいと思っています。
 

 
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by kahajime | 2013-04-22 00:21 | 憲法
20日、名古屋市内において開催した「イラク派兵違憲判決5周年の集い」には、全国から多くの方がご参加下さり、熱気のこもった大変素晴らしい集会になりました。

冒頭僕の方から、現在の改憲を巡る状勢と、この集会の全体の見取り図を簡単に説明しました。

そして明大教授の山田朗さんから、イラク戦争後に自衛隊の戦艦の巨大化が進むなど、自衛隊の戦力が向上しており、すでに世界有数の軍事大国になっている事実を指摘され、その上で更に憲法を変えて国防軍になれば、歯止めなき軍拡が引き起こされ、日本がアジアの不安定化を一気に高めてしまう危険性を指摘されました。

東京新聞の半田滋さんからは、安倍首相が述べている憲法に対する発言に如何に嘘が多いか、ということを指摘され、実体を無視して「論理」だけで考えると一見正しく思わされてしまう、という危険性も指摘しつつ、安倍首相が述べているさまざまな嘘を暴いて下さいました。

北海道の佐藤弁護士から、昨日ほぼ全面勝訴をした自衛官の人権訴訟についての報告があり、また仙台の千葉弁護士からこれも一審で勝訴判決が出た情報保全隊訴訟の報告と、控訴審で予定されている情報保全隊長の尋問について少し触れられました。東京の種田弁護士からは、最近自衛隊を銃刀法違反で告発したことについて(かなり多方面から話題になっていますが)の報告がありました。

最後に内藤功弁護士から砂川事件の最高裁の対米従属の問題(最近新たな情報が出てきた件です)の話から、恵庭、長沼、百里と、それぞれの裁判の闘いが今でも生きていることをリアルにお話しいただきました。

全体を通して、憲法を使っての裁判や様々な取組がかなりの成果を上げており、憲法には軍事国家への道を食い止める確かな力があるということを実感できました。

弁護団としては、改憲の動きに抗うために、全国での学習会や、多方面での憲法と平和的生存権を使った取組をしていくことを、この集会で決めました。

参加された多くの方から、本当に参加して良かったと仰っていただきました。
この時期に必要な企画と考えて練った上での企画でしたが、予想以上に良い集会になったと思います。

ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました。
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by kahajime | 2013-04-22 00:14 | イラク
土曜日、子どもたちと近所の公園に。新緑がきれいになってきました。携帯のカメラでは、新緑の美しさを表現しきれず残念。

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1歳になった息子は、しっかり歩けるようになってきました。

上の3歳の娘は、石橋をたたいても渡らない慎重派ですが、息子の方は猪突猛進タイプ。
散歩の時もどんどん進んでいくので気を付けないと。
鳩や猫はもちろん、犬なども平気。

土日も、午後は仕事することが多いですが、午前中は子どもたちと過ごすようにしています。
子どもたちと時間を過ごすことで、仕事にも集中が出来ます。
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京都の鴨川の桜は、ピークを超していましたが、とてもきれいでした。

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「一票の格差」の裁判で、各地で違憲判決が出され、そのうち2つは、無効判決まで出された。

未だかつてない事態である。

国会の怠慢をもはや司法も放置できないと重い腰を上げざるをえなかった、ということだ。

この判決に対して、国会ではゼロ増5減などで誤魔化そうとしているが、これでは1票の格差は根本的に是正されない。

また、民主などは、「もっと身を削れ」などと主張している。

しかし、これらの判決は、「一票の格差を是正しろ」と言っているのであり、「議員定数を減らせ」とは一言も言っていない。

「身を削る」という主張は、悪質な議論のすり替えである。

しかも「削る」中心は比例であり、言っている自身達の「身」は守った上で、人の「身」を削れ、ということにすぎず、結局矛先を他にずらそうとしていると言うほかない。

こういった国会議員達の姿勢自体が問題なのだ。


私達升永グループは、現在の選挙制度は、「国民主権」ではなく、「国会議員主権」だ批判してきた。

今こそ一人一票を実現し、国民主権国家を実現するために、根本的に選挙制度を改革すべき時だ。
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