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交通事故に遭ってしまったとき

私自身が20代前半で交通事故に遭い、8ヶ月の入院生活と2年間のリハビリ生活をした経験があることもあり、日頃から交通事故被害者の相談に乗らせていただいています。

ネット上でも多数の法律事務所が広告をだしていることもあり、最近は弁護士に相談をすることが容易になってきたように思います。

ネット上の広告では、「慰謝料無料診断」などが多く見られます。

保険会社の提示額は、低めの自賠責保険の金額を基準に作られていることが多く、他方で弁護士は自賠責よりも高い裁判所の基準に沿って対応することから、弁護士に頼むことで、より高い慰謝料等が認められることは珍しくありません。

しかし、事案によっては、もっと早く相談に来ていただいていたら、というケースも少なくありません。

保険会社からの「慰謝料」などの提示の段階では、すでに事故後の治療も終わり、「後遺障害診断書」も作成されています。

たとえば、「診断書」の記載があいまいであったために、「後遺障害」が認められない事案もあります。「診断書」作成段階で、弁護士が適切に助言等できていたら、違った結果になっていたかも知れません。

また、保険会社との間で机上の議論をしていても限界がある場合もあります。

たとえば、過失割合の検討は、警察が作った実況見分調書を基準にしてゆくこととなりますが、肝心の実況見分調書がわりと大雑把に作られていることがあり、事故の現実の状況と必ずしも一致していないこともあります。

現場に行き、客観的な状況を調べて「証拠」をしっかり作っておくことが必要な場合がありますが、その場合、なるべく早い時点で、現場の「証拠化」が不可欠です。

さらに、衝突した車やバイクなどの破損状況などから、それぞれのスピードや衝突した角度などを解析することが必要な時もありますが、その場合には学者に協力いただかねばならないこともあります。

また、後遺障害の等級認定の場面などで、医学的知見が必要なことも少なくありません。

交通事故においては、客観的な証拠の積み重ねが必要となってきます。

交通事故の被害に遭われた立場としては、お金では解決できないほどのつらい思いをされている方も少なくないとは思いますが、最後は金銭で解決するほかない面もあるので、できる限り早く、弁護士に一度相談していただいた方が良いと思います。